O邸 神奈川県横浜市

奥様が楽しく、三世代みんなが仲良く。家族の思い出を受け継いでいける家を。

仲のよい家族がいつまでも集えるように。ご主人が育った家を二世帯住宅にリノベーション。

ご主人が小学生の頃から暮らしていたご実家。お祖父様とご両親が暮らしていたのですが、昨年お祖父様が他界され、それを機にご両親から、二世帯住宅にリノベーションして同居することを提案されました。

両親2人だけにしておくのが心配というのもありましたが、とても仲のよい家族なので、みんな集まれる場所を残したいという思いもありました。祖父が建て、今は父が守っている家を、自分が受け継ぎ、ゆくゆくは息子に残せたら素晴らしいなと思っています」とご主人。

「私の実家は4人家族だったので、最初はお祖父ちゃん、お祖母ちゃんを含めて6人の大家族に多少戸惑いもありましたが、みんな本当にいい人たちで安心して暮らしています。主人が育った家を残してあげたいという気持ちも大きいですね」

家族への思いやりにあふれたアイデアに感動。設計プランには奥様のための「家事室」も。

img02最初は、リフォーム会社に勤務するご主人が、ご家族の意見を聞いて自ら図面作りに挑戦されました。

「でも、みんながそれぞれ好きなことを言うものだからもう訳がわからなくなっちゃって!(笑)それで、仕事を通じて面識のあった河辺先生に相談してみることにしたんです」とご主人。

お仕事を通じて河辺氏の仕事に触れ、常々「素敵だな」と思っていらっしゃったご主人ですが、決め手になったのは、ご夫妻での打ち合わせで河辺氏が開口一番口にした「今回のリノベーションは奥様のため」というひと言でした。

「両親と同居してやっていくには家内の協力が欠かせません。そこを思いやってくださっていることに、何というか胸を打たれて。ぜひ河辺先生にお願いしたい!と思いました」

設計プランを作っていく中でも、奥様のためのアイデアが次々に出てきて「僕以上に家族のことを思ってくれている、と本当にありがたく思った」とご主人。中でも、リビングやキッチン、そこから続く家事室はとくにご夫妻のお気に入りです。

「僕自身がどうしてもかなえたかったのは、子どもが『いってきます』『ただいま』と言って出入りできること。玄関をリビングに直接つながるつくりにしていただいたことでそれも実現しました。あとは家族が喜んでくれれば何も言うことはありません!」

LDKには足元から暖まる床置形エアコン、寝室は勾配天井を利用して壁埋込形エアコンを!

空調のプランについては、「西南に広くとったLDKにはハウジングエアコンの床置形を使います。暖房は温風が下から出るから足元が暖まりやすいし、リビングからキッチンまでしっかり空調できますよ」と河辺氏。

課題となっていた高い勾配天井の旧子ども部屋は、半分を寝室、半分を浴室・洗面室として天井を新設。浴室側に生まれた屋根裏スペースを活用し、寝室に向けた壁埋込形エアコンを設置するという解決策が取られました。

廊下とつながっているトップライトのあるホールにも壁埋込形エアコンをつけるというアイデアには、ご主人も「そういえば、冬に部屋を出ると寒く感じるのが、昔から気になっていた」と納得。

エアコン設置工事2×4住宅でもできた!配管を上手に隠したスッキリ施工。

左:床置形エアコンの設置準備を進める工事担当者 右:エアコンの設置位置を確認する河辺氏

左:床置形エアコンの設置準備を進める工事担当者
右:エアコンの設置位置を確認する河辺氏

施工を担当するのは株式会社アイディーエム様。完成図面を同社が形にし、要所要所を建築家河辺氏がチェックするという役割分担で工事が進みます。

2×4工法で建てられた家。軸組工法の家と違って、壁の中に配管を隠すことができません。そんな限られた条件のなか、「できるだけエアコンが目につかないように、すっきりと」という河辺氏のコンセプトはどのように実現されたのでしょうか?

「壊せない」部分に配慮しつつベストな設置位置を探る!リノベーションならではの設計・施工。

開閉できるキャビネット上部

開閉できるキャビネット上部エアコンを使用しない時はキャビネットの扉を 閉めることができる エアコンを使用しない時はキャビネットの扉を
閉めることができる床より高い設置面と配管 床より高い設置面と配管

リビングの床置形エアコンは、暖房時には足元から温風が吹き出すのでより暖かく感じられるのが特長です。タイプは床置形で最も大きい18畳用。河辺氏のデザインでは、南側からの光を北側の家事室まで取り込むため、リビングに扉を設けていませんが、そんな開放的な空間も、パワーに余裕のあるエアコンでしっかり空調しようというわけです。

設置場所は、リビングの壁面に作り付けられたキャビネットの中。キャビネットの内部を見てみると、設置面が床より少し高くなっていますが、これは外壁の防水層と排水の事情から。防水層は壁の下から20cmほどですが、ここを壊すことはできないので、エアコンからのドレンホースを通す穴はこれより高い位置に開けることになります。さらに、自然に排水するには、より高い位置に室内機を置き、ホースに勾配をつける必要があります。

少し高めの設置面は、こうした機能をしっかり確保しつつ、見た目や快適性もかなえるためのデザイン。空調工事担当者も、そうした河辺氏の意図を理解しつつ、着実に工事を進めました。

ホテルみたいなカッコいい空間と、お部屋のデザインをじゃましないエアコンに大満足。

3月下旬にリノベーションが完成、4月には2人めの赤ちゃんも誕生し、真新しい生活を迎えることとなったご一家。新居については「とにかくカッコよくて気に入っています。まるでホテルみたい!」(ご主人)「広くてきれいで、最初はどこにいたらいいのか戸惑うほどでした(笑)」(奥様)とお2人揃って大満足です。

エアコンについては「あまりにもすっきり納まっているので驚きました」とご主人。「2×4の家だと配管が見えてしまっているケースを目にすることも多いので、それが全くないのに驚きました」とは、リフォーム会社にお勤めの方ならではのご感想。リビングの床置形エアコンが納められたキャビネットの上部は開閉式になっていて、冷暖房の気流をさえぎらない造りになっていることにも「なるほど」と感心したそうです。

奥様のお友達が完成祝いで訪ねてきたときには、閉めてあったキャビネットの扉をお友達が開けて、「こんなところにエアコンがある!」と盛り上がる一幕もあったとか。せっかくのお部屋のデザインをじゃましない仕上がりは、新居のご自慢ポイントとなっているようです。

すぐ暖かく/涼しくなるけれど自然。エアコンの存在を感じさせない快適さ。

家事室は奥様お気に入りの空間 リビングの気流の流れを説明する河辺氏

ご一家が入居された3月の下旬、今年は寒い日が続いたこともあり、さっそく暖房を使う機会がありました。

「広いのでどれくらい暖まるのか少し不安もあったのですが、全く問題なかったですね。すぐに暖まるし、その割に熱気を感じることなく、とても自然な暖かさでした」(ご主人)

エアコン設置場所から遠いキッチンや、その隣に奥まった形でつながる家事室も、十分に暖かく快適だったそう。とくに家事室は「ちょっとイラッとしたときは、ここに隠れてお茶を飲んでひと息つくんです(笑)」と、奥様にとってはまたとないリフレッシュスペースになっているそうですが、それも居心地のよさがあればこそでしょう。

建築家の河辺氏はこう語ります。「南から北へ大きな空間を取っているので、北側で足元が寒いのは最悪。その足元を暖めようとして上から温風をおろすと、リビングにいる人の顔に当たってしまいます。床置形のエアコンは、そうならないための最良の選択肢。大きめのタイプを選んだことで、パワーに余裕を持ちながら広い範囲を暖めることができます」。その狙いはみごとに成功したといえます。

お話をうかがった5月、日中は風通しのよさを活かして窓を開けて過ごしているそうですが、夜は赤ちゃんが泣く声が気になることもあり、窓を閉めて冷房を使用。暑くなく寒くない、河辺氏のコンセプトである「住む人が意識しない空気づくり」は自然な快適さで空間を満たします。

気配を感じられる喜びはご両親にも。仲よし家族にうれしい、集いたくなる住まい。

リノベーション後のリビングはご両親にとっても満足の空間

「今回のリノベーションは、私達にとても合っていたと思います」とご主人。河辺氏の提案で内階段を残したことで、階下に暮らすご主人のご両親ともとてもいい関係が生まれています。お子様も、帰宅したお祖父ちゃんに「おみやげだよ」とキャンディ1つを届けに行くなど、祖父母世帯がぐっと身近な存在に。奥様も、平日は階下でお母様と昼食をご一緒される機会が多く、「日中、ひとりぼっちじゃないのがうれしい」と楽しんでいらっしゃいます。

階下のご両親にとっても、子世帯の気配を感じられるのがうれしいよう。「ちょっとした物音もそうですが、空間がつながっているので、匂いで食事の支度をしているのがわかったりして、そうやって気配を感じ取れるのがうれしいですね」とお母様。近くで暮らしはじめて息子さんと話す機会が増えたというお父様も、「いつの間にか家族が集まる段取りをつけてくれていたりして、長男だな、頼りがいがあるなと感じる機会が増えました」と目を細めます。

ご主人の兄弟が家族を連れて集まると、現在総勢14人。みんなでご両親宅で食事をし、その後は2階のリビングで団らん、というパターンも定着しつつあるとか。リノベーション後の住まいは、この家ならではのにぎやかさ、あたたかさにふさわしい舞台となりました。

家族の気持ちから空気まで、気付かなかったことをプロが教えてくれた。

新しい家族を迎えた喜びとリノベーション完成の喜びで笑顔があふれるO様ご一家と河辺氏

リノベーション成功のカギは、「とにかく信頼できる建築家の方にお願いすること」とご主人はおっしゃいます。

振り返れば、河辺氏から提案されたプランはお2人にとって「すごくいい!」と思えるものばかり。「浴室は北側」「エアコンは配管が見えてしまうもの」「広いスペースを暖めるのは難しい」といったイメージも、思い込みに過ぎなかったと今は実感されています。

設計図面を見て「私のためのリノベーション!」と奥様が感動されたこと、「文字通り床に置くだけのものだと思っていた(ご主人)床置形エアコン」がリビングの空間に溶け込み、快適な空間をつくり上げていることなどは、住む人の気持ちや空気も含めて設計する、空間づくりのプロが考えたからこそと言えるでしょう。

新しいご家族を迎え、ここから生まれる家族の歴史が楽しみです。